4月17日の記者会見で、安倍総理が、朝日新聞の星野記者から「布マスクの配布で批判を浴びている」と嫌味な質問を受けて、「いまご質問いただきました御社のネット(朝日新聞SHOP)でも布マスクを(2枚)3300円で販売しておられたということを承知しておりますが」と反撃する一幕がありました。
このニュースをめぐり、事実でない指摘のツイートが散見されますので、それについてチェックしてみたいと思います。
該当部分の動画
まず、実際の朝日新聞星野記者と安倍総理のやりとりの動画をご覧ください。
記者会見で朝日新聞が布マスク批判
「朝日新聞の星野です。総理……最近では布マスクや星野源さんの動画でも批判を浴びているんですが…」
安倍総理「布マスクにきましてですね…、今ご質問を受けました御社でも、ネットで布マスク3300円で販売されていたということを承知しておりますが…」 pic.twitter.com/yl3rmr2Y2e— 以下略ちゃん™ (@ikaryakuchan) 2020年4月17日
この出来事のニュースに対して、事実と異なるフェイクをツイートしている人が見受けられます。
そのフェイクで多い2つのツイート例は以下のとおりです。
フェイク1「安倍総理と朝日新聞星野記者のやり取りの直後に朝日新聞SHOPが閉鎖された」
4月17日現在、朝日新聞SHOPは閉鎖されていて「洗える立体ガーゼマスク2枚セット 3300円」を見ることは出来ません。
朝日新聞SHOPが閉鎖されていることに対して、
安倍総理に記者会見で布マスク批判をした朝日新聞記者に対して「御社で売っている3300円の布マスク」というブーメラン突っ込みをされた後、突如朝日新聞SHOPを閉鎖する朝日新聞SHOP
のように、「安倍総理と朝日新聞記者のやりとり」の後に朝日新聞が慌てて朝日新聞SHOPを閉めたかのようなツイートをしている人がいます。
しかし、これは間違いです。
朝日新聞SHOPが閉じられたのは、新型コロナウイルス感染拡大で政府が緊急事態宣言を出した4月7日の直前の「4月6日の午後」であり、「安倍総理と朝日新聞記者のやりとり」の後ではありません。
4月6日というのは、ネットで朝日新聞の布マスクが話題になった直後です。
サイト閉鎖の理由は「緊急事態宣言で、物流に支障が出る恐れ」としていますが、「緊急事態宣言」はネットショップにとっては逆にビジネスチャンスのはずです。
違和感のある朝日新聞の説明ですが、今回のテーマではありませんので深入りはしないことにします。
フェイク2「朝日新聞のマスクは高機能マスクでアベノマスクとは大違い」
安倍総理が朝日新聞記者の布マスク批判に対して「朝日新聞SHOP」で売られている布マスクを引き合いに出したことについて、両者はぜんぜん違うものなので比較するのはおかしいという指摘があります。
「朝日のは表裏2層のガーゼの間に、医療用レベルの脱脂綿と不織布シートを挟んだ4層構造という高機能な物で、口と顎を隠すと鼻が出るアベノマスクとは大違い。
大体466億円も費やした政府の政策と、新聞社の商売を等値するのはナンセンス。」
コピペでもう一度書くね。
読める?— PRK (@bbprk_TOKYO) 2020年4月17日
しかし、安倍総理は「朝日も布マスクを売っている」=「布マスクは需要がある」と言っているだけで、特に朝日新聞SHOPの布マスクの内容について触れたわけでも、批判したわけでもありません。
別に比べてないじゃん。
「朝日も布マスクを売っている」=「布マスクは需要がある」
と言っているだけ https://t.co/4JffBiVx81— 以下略ちゃん™ (@ikaryakuchan) 2020年4月17日
きちんと会見の動画を見れば、「布マスクは朝日新聞が売るほど需要がある」ので「政府も布マスクを配布することにした」と話しているだけなことがわかるはずです。
高機能であろうがなかろうが、朝日新聞が売っていたものが「ガーゼ(布)マスク」であることがポイントです。