(共同通信が取り上げた青島総領事の報告書)
昨年12月7日に共同通信が配信して、東京新聞にも掲載され、望月衣塑子記者が「角南圭祐 記者の特ダネ」と絶賛しTwitterで拡散された慰安婦問題についての記事があります。
共同通信 角南圭祐 記者の特ダネ 慰安婦「兵70人に1人」?
#共同通信 #角南圭祐 記者の特ダネ#慰安婦「兵70人に1人」と記述 外務省文書
内閣官房が2017、18年度新たに23件公文書収集。在中国日本領事館の報告書には「陸軍側は兵員70名に対し1名位の酌婦を要する意向」の記述。専門家「軍と外務省が国家ぐるみで慰安婦送り込んでいた」https://t.co/n0ektY0hnC
— 望月衣塑子 (@ISOKO_MOCHIZUKI) 2019年12月7日
これ、すごく重要な記事。東京新聞には地味に載ってた。
慰安婦「兵70人に1人」と記述 外務省文書、軍関与を補強 | 2019/12/6 – 共同通信 https://t.co/COLKzazSZS
— 白石草 (@hamemen) 2019年12月7日
慰安婦「兵70人に1人」と記述 外務省文書、軍関与を補強 | 2019/12/6 – 共同通信 https://t.co/ZRcj0UrnkR
— 堀 潤 JUN HORI (@8bit_HORIJUN) 2019年12月8日
歴史改竄主義に対して私たちができうる唯一の抵抗はただ、事実を積み重ねることだけです。掘り起こし、伝えることを私たちは諦めません。
慰安婦「兵70人に1人」と記述 外務省文書、軍関与を補強 | 2019/12/6 – 共同通信 https://t.co/tcJcdBIxbW— 共同通信ヘイト問題取材班 (@kyodonohate) 2019年12月7日
資料の写真に「影」を付けるときは怪しいんです。
兵70人に一人のニーズがあるからご許可願いたい
今回、共同通信が記事にしたこのネタ元の分厚い日本領事館の報告書を、ジャーナリストの大高未貴さんが実際に読まれたそうです。
そうしたら、共同通信の記事はとんでもないフェイクニュースだったことがわかったそうです。
また、例によって、軍が業者を取り締まった記録を、こねくり回して「軍と外務省が国家ぐるみでー」などとミスリードする嘘記事だったようです。
簡単に言うと、業者が「兵隊さん70人にひとりの需要がありますから許可してくださいね」と言ったという記録を「慰安婦ひとりに兵70人を押し付けた」みたいにミスリードしている記事です。
またまた、ひどい話ですね。
大高未貴さんが1月15日の虎ノ門ニュースで、この昨年12月7日の共同通信の記事と、さらにそれを元にしたロイターの記事について、痛快に反論されています。
虎ノ門ニュース(1月15日)での大高未貴さんの発言の概略は以下のとおりです。
(ここから大高未貴さんのお話の概略)
慰安婦問題は日本国内ではもうほぼ決着ついて終わったかなという認識あったと思うんですけれども、昨年12月共同通信が発信した慰安婦に関するニュースが、ロイターからアルジャジーラまでどんどん拡散していて、そのネタ元を調べました。また例の朝日新聞と同じようなパターンのことをやってました。
そこを今日は暴露したいなと思います。
共同の記事ですね、昨年12月。
★記事内容「旧日本軍の従軍慰安婦問題を巡り、関連する公文書の収集を続ける内閣官房が2017、18年度、新たに計23件を集めたことが6日、分かった。うち、在中国の日本領事館の報告書には「陸軍側は兵員70名に対し1名位の酌婦を要する意向」「軍用車に便乗南下したる特殊婦女」などの記述があった。「酌婦・特殊婦女」は別の報告書内で「娼妓と同様」「醜業を強いられ」と説明され、慰安婦を指している。
専門家は「軍と外務省が国家ぐるみで慰安婦を送り込んでいたことがはっきり分かる」と指摘する。
1993年の河野洋平官房長官談話が認定した「軍の関与」を補強する資料と位置付けられそうだ。」(共同通信)
専門家って誰よって話ですが。しかも、この最後のセンテンスに大事なことが書いてあって。ここがポイントなんです。
官房長官談話が認定した軍の関与を補強する資料と位置づけられそうだ 。
ここなんですよ、ポイントが。
さっきの専門家のコメントと、河野談話を補強するってありますでしょう。ね、で河野談話の問題点は虎ノ門の視聴者ご存知だと思うんですけども、簡単に説明すると、その河野さんが93年に出した談話で、談話には書いてないけども記者会見でね、慰安婦の強制連行はあったのかと記者に聞かれて、そういうことがあったという発言をしてしまった。がゆえに、河野談話=慰安婦強制連行を日本が認めたという認識で世界に拡散してしまったと。
でもその後、産経新聞が色々スクープをして、その韓国側とのすり合わせがあったり、慰安婦証言調査のずさんさが暴露されたり、石原元副官房長官の当時の状況説明などにより、だんだんその後、韓国側に頼まれて言ったら裏切られたということですよね。
政府も2014年に河野談話の作成過程の検証報告書というのを有識者を集めてまとめたんです。その中に、「いわゆる強制連行は確認できない」という文章を入れて事実上2014年に河野談話というものを無効化してるんですね。
にも関わらず、共同通信のこの引っ張り方がすっごい涙ぐましくって、私はこの共同が引用した文章を、外交文書を読んだんです。
いっぱい書いてありましたよ。日本人に知らせたい大事な情報がたくさんありました。
『社会問題諮問委員会関係一件』
共同通信は意図的だろうなぁ。
当時、業者が散々暗躍して日本の婦女子を騙して大陸に連れて行って渡航が増えていてそれが社会問題化してきていたので、いろいろと日本政府も苦慮していて。で各領事館から外務大臣に報告書を出している一冊が、分厚い量があるんですよ。
その中の一節に共同が引用した「兵士70人に 女性ひとり」の文章が、「支那渡航婦女の取締に関する件」と題するタイトルの中にあったんです。
兵士70名、ちょっとこの全体を読んでいただくと、共同が落としたところも分かるので簡単に読んでいただけますか。
「一方当地海軍側は陸戦隊並びに第4艦隊乗組員数を考慮し芸酌婦合計150名ぐらい増加を希望しており陸軍側は兵員70名に対し1名くらいの酌婦を要する意向であるが当地は警備軍の移動頻繁にして所要特殊婦女数の算定困難であるということだが営業者等の希望を参酌し今後さらに芸妓40名酌婦50名(内鮮妓15名)くらい新規渡航をご許可相成り差し支えないものと思料できる」
「営業者等の希望を参酌し」とありますね。
こんな分厚い資料で他のページ見ようとしたっていう言い訳はできるかもしれないですよ。でも、これ見落とすわけ無いでしょ、いくらなんでも。
業者が結局暗躍していたと。
「軍にニーズがありますと、だから風俗嬢の派遣を増やしたいと。だから許可してもらえますか? 」という文章なんですね。業者が関与していたという証拠じゃないですか。
これだけじゃないんです。全文読んで、ほんとにもう凝り固まっちゃって、逆にこの分厚い資料をどう河野談話を補強するために使えるか、共同の記者の方はすごいルサンチマンと苦労しただろうなと。
すごいんですよ。
1月24日に『WiLL』で反論を発表しますから、他にも不都合な記述を結構私抜き出して書いたんで見て頂きたいんですけど。
全部読んで、あの専門家のコメントだとしたらね、専門家は小学生以下の読解力か確信犯か 。
「破格の給料だった」とか金額までちゃんと出ていて。外務省はこれ全部訳して、めんどくさいけども公表すべきですね。すごい良い史料ですよ。
朝日新聞は92年に同じパターンをやってたんです。
宮沢さんが韓国に訪韓する5日前に、第一面のトップ記事で「慰安所軍関与を示す資料」と報じて、それでもうビビっちゃって宮沢さんは韓国行って謝ったけれども、よくよく読んでみたらこのパターンと一緒で、なんてことはない、悪質な女衒の業者がいて、ちゃんと日本側がその人身売買を取り締まっていたというニュースで、同じパターン。
それをまた朝日が広義の解釈にして、それも軍の関与だと言って世論形成をしてきたわけです。それをまたやるって、しつこくない?
それでですよ、この共同の変な記事がですよ、ロイターが引用して、さらに加筆してとんでもない記事になって、中東まで行っちゃっているわけですよ。
それを紹介したいんですけども。(ロイターの記事)
これが番組で触れたロイターの記事。ツイートされている方がいたので引用します。
【慰安婦文書、またも明らかに】ロイター通信も全世界告知報道 戦時中 青島領事館が東京の外務省に、陸軍が兵士70人あたり女性1人の確保を要求 https://t.co/YCSFQIKaJG ★ 焼却による文書廃棄を免れたものだろうか? 安倍政権の政府見解を求める! pic.twitter.com/ntC8QGWGNm
— 大沼安史 (@BOOgandhi) 2019年12月10日
(大高未貴さんのお話 つづき)
(ロイターの記事も)日本の関与があったみたいなことを拡散するわけなんです。
その70人に1人っていうのも2回もセンテンスを使って強調して、河野談話も補強していると。
しかもね、びっくりしたのが元挺対協の。慰安婦像立ててる団体。最近、名称変えたんだけれども、その代表のコメントまで載せているんです。そのコメントがまたすごいんでね、紹介したいんですけども。
挺対協から「日本軍性奴隷制問題の解決のための正義記憶連帯」(略称正義連、朝鮮語: 일본군성노예제문제해결을위한정의기억연대)という名前に変わったんです。名前からプロパガンダ名に変えているんです。
セックススレイブという言葉でしかもそのコメントがすごい。
「最新の文書から…売春宿の運営に関する詳細な情報が得られました。一人の慰安婦に割り当てられた兵士の数です」と、日本軍性奴隷制問題の解決のための正義記憶連帯のユン・ミヒャン理事長は語った。
「これは、日本政府が性的奴隷化のために韓国人女性を強制的に雇ったことへの責任があることは明白です。」
日本の内閣官房で、すぐにコメントできた職員は一人もいなかった。共同通信は慰安婦に関する公式文書を集めていると述べた。(ロイター)
なんで性奴隷に飛躍するわけ? 日本側も軍が業者の暗躍に苦労していろいろな対策をねっていたというオフィシャルドキュメントがどうやっていじったらこの性奴隷にしていた証拠のドキュメントに変容するのか、わからないんですけれども。でもこうやって英文で発信されてしまうことによっての影響というのは大きいんですよ。
情けないのは日本の内閣官房です。
「日本の内閣官房で、すぐにコメントできた職員は一人もいなかった。共同通信は慰安婦に関する公式文書を集めていると述べた。」
ロイターの記者の名前は出ているんですよね。
二人いるんです。
日本人の竹中清さんと、ソウルのSangmi Cha(サンミ・チャ)さん。
日韓合作でこれ書いたと思うんですけど。
ロイターの竹中清さんを呼び出して、誰に取材をしたのか聞きたいんですよ。
こういう情報ロンダリングの実態があります。(以上、大高未貴さんのお話から)
【月刊『WiLL』3月号 1月24日(金)発売!】
虎ノ門ニュース(1月15日)で大高未貴さんが共同、ロイターの慰安婦問題記事の“問題”を解説(共演者は上念司さん)。公式資料にまであたって反論されていますが、さらに3月号にて、より詳細な反論記事を執筆いただいています。ぜひ、ご一読ください! pic.twitter.com/ypmQs0tqFC— WiLL編集部 (@WiLL_edit) 2020年1月21日
月刊『WiLL』3月号発売中です。ぜひ以下略ちゃんのリンクからご購入ください。