新潮社さんが10月4日に「夏の騎士ヨイショ感想文 キャンペーン」というプレゼント企画をツイートしました。
ところが、5日、抗議が寄せられたのか、新潮社さんは謝罪して、キャンペーンを中止するとツイートしています。
なぜ、謝罪するのでしょうか?
なんの問題もない良質なプレゼント企画であると考えますので、若干の説明と修正を加えた上で、すぐに再開すべきだと思います。
以下、その理由についてまとめます。
『夏の騎士』をほめちぎる読書感想文
百田尚樹の最新小説『夏の騎士』を
ほめちぎる読書感想文を募集!このアカウントをフォローの上
#夏の騎士ヨイショ感想文 をつけて
感想をツイートして下さい。
※ネタバレは禁止百田先生を気持ちよくさせた
20名の方に、ネットで使える
1万円分の図書カードを贈呈!期間:10月25日23:59まで
企画中止?
「夏の騎士ヨイショ感想文キャンペーン」について
お騒がせをし、申し訳ございません。
多くのご意見を受け、中止とさせていただきます。
尚、既にご参加済みの方に対しては、追ってアナウンスさせていただきます。
今回皆様からいただいたご意見を真摯に受け止め、今後の宣伝活動に活かして参ります。— 新潮社 (@SHINCHOSHA_PR) 2019年10月5日
新潮社のプレゼント企画の趣旨を読み解く
ツイッターの宣伝広告の定番は「フォロー&リツイート懸賞」です。フォローして、該当ツイートをリツイートすれば応募完了というもので、無料で簡単に誰でも応募できるので人気がある企画です。宣伝アカウントはフォロワーが増え、広告は拡散されていきます。
新潮社さんも、この定番の「フォロー&リツイート懸賞」を採用すればよかったのに、とは思います。
にもかかわらず、新潮社さんは出版社としてそれではマズいと考えたのでしょう、「読書感想文」を選択しました。
ここで問題が起こってきます。
ひとつのツイートは140文字までです。「#夏の騎士ヨイショ感想文」のスペースとハッシュタグを含めると、残り127文字。この文字数で独創的な感想文など書けるはずがありません。Amazonのトップレビューを確認してみると上位3つは、改行込みで494文字、1476文字、1544文字でした。まともに「読書感想文」を書くのなら、このくらいの文字数は必要なのです。
「読書感想文」とは言っても、まともな感想文を求めているわけではないことがわかります。
さらに、「※ネタバレは禁止」としているので、本の内容に触れた感想文は書けず、実際に読んでいることをアピールすることが難しい。
本を読んでいてもいなくても、誰でも参加できる企画であると考えられます。
新潮社さんは、形式的に「読書感想文を募集」とすることで、出版社としての「矜持」を保ったのでしょう。
「ヨイショ感想文」の意味
ツイッターは、何かを褒めているツイートは少なくて、何かを批判している、何かに文句を言っているツイートばかりが溢れています。
そんなディスりばかりのツイッターの中で、あえて「褒める」ことだけを求めるのは老舗の出版社らしい面白い企画だと思います。
なぜ、一部のクレーマーたちには、このユーモアが理解できないのでしょうね。
「ヨイショ」という言葉を使ってしまったので、何かに文句を言ってばかりいるアカウントたちに揚げ足をとられてしまいました。
「ヨイショ」=「ディスり禁止」という趣旨なのでしょうから、そこをきちんと説明すればいいだけの話です。
「夏の騎士ヨイショ感想文キャンペーン」に批判的なツイートをしているアカウントをチェックしていくと、「肉球新党」など安倍政権に批判的なアカウントが目立ちます。
文句を言っているアカウントのTLに行って、そのアカウントが他にどのようなツイートをしているのか確認すればすぐにわかります。
本の内容よりも、政治的な理由から百田尚樹さんに文句を言いたいだけのアカウントたちです。こうした人たちは本など買うはずもありません。
「声だけ大きい少数者」
このキャンペーンは、何の問題もないプレゼント企画です。百田尚樹さんに文句を言いたい「声だけ大きい少数者」が声をあげているだけです。
「声だけ大きい少数者」のクレームに怯んで、何の問題もないプレゼント企画を中止して、謝罪までしてしまうことは、絶対にしてはいないことです。
こうして「表現の自由」が後退していきます。
なんで中止にするのですか。
老舗の新潮社さんだけども、思い切った新しい取り組みをするんだなと応援してたのに。
批判の声に負けないでください!— Next Japan (@NextJapan7) 2019年10月5日
普段、新潮社なんて見向きもしないクレーマーのイチャモンで取り止めるくらいなら最初からやらなきゃ良かった。
企業なんだから自由にやればいいのに。— YF27 (@is12si) 2019年10月5日
面白い企画じゃないですか。
何を謝る必要があるのでしょうか?— しょろ (@shoroshoro) 2019年10月5日
企業として販促のため、感想文キャンペーン等は有りだと思いますが?作家の政治的主張が気に入らないからと、企業の販促活動を邪魔するのはおかしいかと。それこそ言論弾圧。あちら側に阿っていれば、縮小していくでしょうね。
— 拓海銀二 (@takumi_ginji) 2019年10月5日
でたぁ〜!なんで中止にするのかな??抗議??表現の自由ってほざいてるくせに気に入らないのは、はい中止!にする😩こういうのが呆れてまうねんな〜
— sayuri (@xoxonicochan) 2019年10月5日
天皇の写真を燃やして踏みつける作品に抗議が殺到して、展示中止になったあいちトリエンナーレの「表現の不自由展」の実行委員らの主張は、「表現の自由は民主主義の本質的基礎であり、社会の発展およびすべての人間の発達のための基本的条件」「国家や一部の人々を傷つけたり、驚かせたり、または混乱させたりするようなものにも、保障される」だそうです。
「表現の自由」を守るためにも、新潮社さんはクレームに怯むことなく、「#夏の騎士ヨイショ感想文」を「#夏の騎士ディスり禁止感想文」「#夏の騎士おすすめ感想文」などに衣替えして、「表現の自由だ」と声をあげてプレゼント企画を再開、最終日10月25日まで続けてほしいものです。
加筆 金色の百田尚樹さんについて
金色の百田尚樹さんの画像が品がないという声もありました。
わたしは、「ビリケン」さんがネタ元ではないかと考えています。大阪っぽくて、いいじゃないですか。