慰安婦像は過去に撤去されたものではない
中止になった国際芸術祭「あいちトリエンナーレ2019」の企画展「表現の不自由展・その後」についての私のツイートにいただいた、元NHKの池田信夫さんのリプライで、ひとつ気がついたことがあります。
そのリプライとはこれです。
正確にいうと、慰安婦像は過去に撤去されたものではなく、ソウルの日本大使館前に設置されて日本政府が撤去を求めたものと同じ。それを愛知県が公費で設置することはありえない。
— 池田信夫 (@ikedanob) 2019年8月4日
正確にいうと、慰安婦像は過去に撤去されたものではなく、ソウルの日本大使館前に設置されて日本政府が撤去を求めたものと同じ。
各地の美術館から撤去されるなどした二十数点を展示
朝日新聞によれば、
愛知県内で開かれている国際芸術祭「あいちトリエンナーレ2019」(津田大介芸術監督)の実行委員会は3日、企画展「表現の不自由展・その後」の中止を決めた。慰安婦を表現した少女像など、各地の美術館から撤去されるなどした二十数点を展示しているが、抗議の電話が殺到するなどしていた。(朝日新聞 「表現の不自由展」中止に 少女像作品めぐり抗議が殺到)
企画展「表現の不自由展・その後」は、慰安婦を表現した少女像など、各地の美術館から撤去されるなどした二十数点を展示している、ものだそうです。
津田大介 芸術監督も、
「日本の公立美術館で、一度は展示されたもののその後撤去された、あるいは展示を拒否された作品の現物を展示し、撤去・拒否された経緯とともに来場者が鑑賞することで、表現の自由を巡る状況に思いを馳せ、議論のきっかけにしたい」
というのが今回の「表現の不自由展」のコンセプトであると説明されています。
日本の公立美術館で、一度は展示されたもののその後撤去された、あるいは展示を拒否された作品の現物を展示
がコンセプトです。
2012年の東京都美術館の公募展に持ち込み撤去
で、慰安婦像の撤去の経緯はこうです。
2012年8月、キム夫妻は東京都美術館で開かれた公募展「JAALA国際交流展」に、高さ20センチほどの「模型少女像」を展示したが、美術館側によって展示中に会場から撤去された。
つまり撤去されたのは、こっちのミニチュアの方です。
美術館から撤去されたものを集めた企画展であるならば、このミニチュアだけを展示すればいいはずです。
慰安婦像を増やしているだけ?
とすると、「あいちトリエンナーレ2019」で、その横に展示されていた実物の慰安婦像は何でしょうか?
実物の慰安婦像の方は、過去に日本の公営美術館で一度も展示されたことはないし、もちろん撤去もされたことがないわけです。
これは、おかしい。
日本の税金を使って、公営の美術館に展示するためにわざわざ新規に慰安婦像の現物も発注したのでしょうか?
津田大介 芸術監督は、撤去もされたことのない慰安婦像を増やしているだけのような気がするのですが。
どういう意図なのか、理解に苦しみます。
キャロル・グラックのように南京事件と慰安婦を意図的に混同して「性奴隷」として糾弾する「国際世論」が、慰安婦像の背景にある。これに歯止めをかける上でも、日本政府や自治体は慰安婦像を認めてはならない。 https://t.co/Pl6SSVEm2t
— 池田信夫 (@ikedanob) 2019年8月4日
問題は税金ではなく、トリエンナーレの主催者が愛知県(実行委員会)で、委員長が大村知事だということ。「公的な意思」として外務省がソウルの慰安婦像の撤去を求めたのに、それと同じものを愛知県が設置したら、慰安婦合意の履行を求めることはできなくなる。 https://t.co/IoErJY2y1A
— 池田信夫 (@ikedanob) 2019年8月4日