(GPIFの高橋理事長)
しんぶん赤旗
しんぶん赤旗が1月5日に、「18年10~12月の年金積立金運用過去最悪 14兆円超損失か」と書いています。
株式に詳しいらしい「名もなき投資家」さんも、このしんぶん赤旗の記事を引用して、「年金基金が2018年10~12月に14兆円超も損失出したこと批判しなよ」とツイートしています。
毎日毎日ZOZO批判を繰り返してる連中に言いたいんですが
前澤さんが個人で個人資産から1億円ばらまくことを批判してる暇があったら
政治家が国民の税金を好き放題使ってることや、年金基金が2018年10~12月に14兆円超も損失出したこと批判しなよ(笑)https://t.co/jkGH868318
— 名もなき投資家 (@value_investors) 2019年1月7日
「批判」とは、何でしょうか?
さっぱり、わかりません。
日刊ゲンダイ
同じく2月2日に、日刊ゲンダイが「年金運用で過去最大損失 GPIFで14.8兆円が溶かされていた」と書いています。
公的年金を運用する「年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)」が1日、2018年10~12月期の運用実績を公表。なんと14兆8039億円の赤字だった。利回りはマイナス9.06%。7兆8899億円の赤字を出して大問題になった15年7~9月期を大きく上回る過去最大の損失額だ。GPIFが抱える150兆円資産の約1割が、わずか四半期で消えてしまった。
経済評論家・斎藤満さんの記事です。
「安倍首相の号令で株式の比率を上げなければ、15兆円もの損失は出ていなかったのだ」と書いています。
国会で追及を!
年金運用で過去最大損失 GPIFで14.8兆円が溶かされていた https://t.co/j55XRihtq6 #日刊ゲンダイDIGITAL
— 山本あけみ 立憲民主党所属/杉並区議会議員/建築士 (@We_are_happy_3) 2019年2月2日
この日刊ゲンダイの記事を引用して、「国会で追及を!」などと言っている区議会議員がいます。
何を「国会で追及」するのでしょうか?
さっぱり、わかりません。
2018年10~12月期といえば
この2つの記事は、2018年10~12月期の運用実績だけを切り取って記事にしたものです。
日経平均株価(日経225)というのは、代表的な株式225種の株価を単純に合計したもので日本の代表的な株価指数のひとつです。
日経平均は、昨年10月5日に最高値24448.07円を付けると、12月28日の最安値18948.58円まで5499.49円値下がりしました。

10~12月期の運用実績というのは、ちょうどこの最高値から最安値まで値下がりした場面です。
年金基金が溶けた?
「14.8兆円が溶かされていた」などと、この年金運用を批判する場合、よく「溶けた」という表現を使う人が多いですが、
大量の年金を株式市場に注ぎ込んで株価を上げようとしたが結果として招いたのは株の暴落。5兆円もの年金基金が溶けてしまった。その多くは外国人投資家のもとへ。日本経済の回復に全く効果を果たしていないではないか。 pic.twitter.com/D1p1QFvrNy
— 有田芳生事務所(公式) (@arita_office) 2016年7月6日
株式は毎日、値上がりしたり値下がりしたりしています。それなのに「溶けた」とはどういう意味でしょうか?
デイ・トレーダーでもないのに、どうしてそんな短期間を切り取って話しているのか、さっぱり理解ができません。
年金運用は短期間で行うものではなく、長期で運用するものです。短期間で売却する必要もないのです。
何より、これらの株式は、値上がり値下がりに関係なく、毎年数兆円の「配当」を受け取っています。
不思議なことに、しんぶん赤旗も日刊ゲンダイも野党も、まったくこの「配当」のことを話題にしません。
で、現在株価はどうなっているかというと、今年に入って堅調な値動きを続けています。
昨年12月28日の最安値18948.58円から切り返し、本日4月18日の日経225は22090円まで値上がりしています。
こうした値上がり場面では、マスコミや野党は誰もこれを語りません。
それどころか、いまだに「15兆円溶けた」などとツイートしている人がいます。
大丈夫でしょうか?
人々の不安を煽るだけの、しんぶん赤旗や日刊ゲンダイの記事に騙されないで、自分で株価をチェックしましょう。