「ひるおび」「産経」「ハフポスト」「ゲンダイ」自民惨敗の原因のひとつがフェイクだった
※画像は時事通信社のニュース動画より
『握手拒否した川井議長』と記事に書かれることが多い川井重勇(かわい しげお)都議会議長。「握手拒否した」とわざわざ書くことに悪意を感じますが、どうしてこのようなレッテルを貼られているのでしょうか?
TBS「ひるおび」のねつ造報道
TBSのワイドショー「ひるおび」が2017年7月3日に放送したフェイクニュースについて、藤原かずえさんがブログで指摘。ネットで炎上しています。
『握手拒否した川井議長』という、今回の都議会議員選挙での自民党惨敗の最初の原因とされてきた出来事が、フェイクニュースだったと暴露されたのです。
https://twitter.com/kazue_fgeewara/status/882220443851030533
TBSのワイドショー「ひるおび」が放映したフェイクニュースについて、ブログに詳細をアップしました。「ひるおび」はオリジナル映像を編集して「あるものをない」と言っているわけですから、明らかにこのフェイクニュースは意図的であると言えます。https://t.co/bhc4DbQQig
— 藤原かずえ (@kazue_fgeewara) July 4, 2017
このTBS「ひるおび」ねつ造報道は、『握手拒否した川井議長』という前提で番組を構成し、それにあわせた映像を作り出したものです。
握手をしている動画から、握手のシーンを取り除いて、握手を拒否したシーンを作り上げたわけですから悪質な行為と言えます。
動画編集の段階で、握手をしていることに気がついたはずですから、本来であれば、「あれ、川井議長は握手をしているぞ。どういう訳だろう」と真実を追及するべきなのに、自民叩きのために「ひるおび」スタッフはねつ造を選択してしまったのです。
2016年に正しいニュースを流したのは時事通信とTOKYO MX
『握手拒否した川井議長』は2016年8月2日の小池都知事の初登庁の日の出来事です。
川井議長は小池都知事と握手はしたものの、記者が求める記念撮影は拒否しました。
◯握手
☓記念撮影
が正しい経緯です。
時事通信社は、ニュース映像で握手をしている川井議長の姿を伝えています。
TOKYO MXも、ニュース映像で握手をしている川井議長の姿を伝えています。
時事通信社とTOKYO MXは事実を正確に伝えていたようです。
握手はしたけれど、記念撮影は拒否。この事実が『握手を拒否』というフェイクニュースになって有権者に伝えられていきます。それは都議会自民党のおごりとイメージされ、「なんか感じ悪いよね」と今回の選挙の結果につながっていきました。
以下略ちゃんも、この握手の映像を見ながら、ネットに流れる『握手拒否した川井議長』というデマに騙されて、「このシーンでは握手はしているけれど、この前に握手を拒否したことがあるのだろう」などと漠然と思っていました。それは勘違いでした。
産経のフェイクニュース
【 #都議選投開票 】小池百合子都知事と握手拒否した川井重勇都議会議長 落選決定に引退を表明「若い人を育てて自民党再生を」 https://t.co/dTP44ilRgG pic.twitter.com/GCFmFCYxIx
— 産経ニュース (@Sankei_news) July 2, 2017
産経新聞も、
小池百合子都知事と握手拒否した川井重勇都議会議長 落選決定に引退を表明「若い人を育てて自民党再生を」(魚拓)
とデタラメな記事を書いています。
この2017年7月2日の産経の記事では、「握手拒否した」とフェイクを書いた上に、
選挙戦について「逆風というのもあったわけですが、私の件は私の至らない部分だと思う。毎回、選挙は厳しいものなので…」などと述べ、握手の拒否が選挙結果に影響したことを認めた。
と、川井議長の発言を曲解して『握手の拒否が選挙結果に影響したことを認めた』などと新しいデマまで作り上げています。
握手はしている川井議長がそのような発言をするはずがありません。
『握手の拒否が選挙結果に影響したことを認めた』というのは、産経新聞が7月2日に新たに作り出したデマです。
産経新聞は、『握手拒否した川井議長』という認識だったことはわかりました。
2016年10月14日には、
川井重勇都議会議長、就任あいさつで拒否の握手、打って変わって笑顔で求め記念撮影 自民とは緊張感が… (魚拓)
というタイトルの記事も配信しています。
ハフポストのフェイクニュース
ハフポスト日本版ビジネス&マネー編集長(出向中) 朝日新聞記者 国際報道部の中野渉さんは、「有権者はあの場面をよく覚えていたということでしょうか。」と自社の記事を引用してツイートをしました。
『あの場面』とは、ねつ造された『握手の拒否』の錯覚のことでしょうか?
確かに有権者は、マスコミに騙されて、ありもしない『握手の拒否』の場面を覚えさせられていたわけです。
https://twitter.com/watarunakano/status/881720685160153089
川井重勇氏が落選、小池百合子都知事と握手拒否した都議会議長 「自民党再生を」と引退表明【都議選】(魚拓)
ハフポストHuffPostは朝日新聞系です。
このハフポストの2017年7月3日の記事では、『握手拒否した都議会議長』というデマタイトルを付けて、記事冒頭で
挨拶回りに来た小池氏との握手を拒否した川井重勇・都議会議長(69)
と書き、文末で、
小池氏との握手を拒否したことについては、「握手を拒否したことは1回もない。写真はお断りしましたけれど。議長としては写真撮影に応じることはできなかった」と説明。
と書いています。
川井議長に対して「握手を拒否したのに、していないと言っている、この嘘つきめ」という文脈の記事になっています。
ハフポストも『握手拒否した川井議長』という認識だったようです。
「嘘つき」なのは、ハフポストと中野渉編集長の方です。
「握手を拒否したことは1回もない。写真はお断りしましたけれど。議長としては写真撮影に応じることはできなかった」という川井議長の言葉は真実だったということになります。
デマを流され落選した本人は「握手を拒否した事はない」と言っていても、それは報道されずにマスコミやネットでフェイクニュースだけが伝えられ続けるのです。ひどい話です。
こんにちは。ハフポストですが、見出しをちょこちょこいじってますねhttps://t.co/dv9ZUQy6Xyhttps://t.co/vW1dtFek6H pic.twitter.com/hANAsAaw5z
— フェルビナク16 (@ksk_twt) July 6, 2017
初出時
>小池百合子都知事と握手拒否した
↓
現在
>小池百合子都知事と”握手拒否”した
なんで修正?握手拒否の件は産経に従っただけで、ハフポストは川井議長のコメントも掲載しているし問題はなかったとでも言いたいのですかね、醜悪https://t.co/IJwHeWA5cB pic.twitter.com/ykusogFynG
— フェルビナク16 (@ksk_twt) 2017年7月6日
Twitterでの最初の『握手拒否』ツイート
Twitterに残る最初の『握手拒否』ツイートはこれです。(※他に存在していたツイートが凍結されて現在はなくなっている可能性もあります)
握手を拒否した #都議会 議長は
川井さんっていうのかぁ〜映像みると、
小池さんが挨拶にいくと、川井さんは両腕を背後にまわして拒否する気満々、小池さんはひるまず握手を求めて…小池さんの圧勝
川井さんは男を下げたね〜川井…覚えた!
— Terasawa (@terasawatom) August 2, 2016
このツイートでは「握手を拒否した都議会議長」と書かれています。その文脈は「最初は握手を拒否するつもりだったけど、しぶしぶ握手した」ということなのかもしれませんが、肝心の「握手をした」が書かれていないので「握手を拒否した都議会議長」としか読めない文章になってしまっています。
気に入らないとお出迎えも握手も一緒に写真を撮るのも拒否ですか、男社会の醜さをイヤって程見せ付けてくれますね。小池さんのことをしたたかって言うけど、これじゃあしたたかでなけりゃやってけない。 https://t.co/IOr6OmMbqM
— SHAITANA (@Sweet_Garr) August 2, 2016
https://twitter.com/koto211/status/760404647630647297
https://twitter.com/kanawinds/status/760421312015638528
このツイートでは、「握手ショット(の記念撮影)を拒否」とつぶやいています。
この辺も混乱の原因ですね。
「握手ショット(の記念撮影)を拒否」→「握手を拒否」と変化して伝わっていった可能性があります。
そして、川井議長への批判意見を呼びかけるツイートが発生します。
#川井しげお へのご意見はこちらからhttps://t.co/7D5sFEoaZr
都議会議長の川井(都議会自民党)は小池が来たときに手を背中側で組んで握手拒否。 記念撮影も拒否https://t.co/l4bNg3Ezkr pic.twitter.com/XEsJ2LoRoh
— team-tk (仙人)@ハタノ派 (@teamtk) August 2, 2016
このツイートの引用元記事には「川井議長は記念撮影を拒否」とだけ書かれているのですが。
まとめサイトのフェイクニュース
『にんじ報告』というまとめサイトが2016年8月3日に
東京都議会の川井重勇(しげお)議長、小池百合子新知事と握手拒否し物議。炎上へ(魚拓)
という記事を書いています。
日刊ゲンダイのフェイクニュース
日刊ゲンダイも2016年8月4日に、
小池知事に塩対応 都庁に苦情殺到で都議会議長“大炎上” (魚拓)
という記事の中で、
「知事と議会は両輪。一輪車にならないように」と説教を垂れた揚げ句、握手も記念撮影も拒否。促す報道陣に「あなたの要望に応える必要はないから」と言い放った。その様子がテレビで繰り返しオンエアされ、都庁に苦情が殺到しているのだ。
と書いています。
フェイクが生まれた経緯について考察
フェイクニュースを流したのは、「ひるおび」「産経」「ハフポスト」「ゲンダイ」と一部の「まとめサイト」です。
残念ながら現時点では、どれが最初のフェイクニュースだったのかを特定することはできませんでした。
『握手を拒否した川井議長』のデマがどのようにして発生したのか、記事を書くのに調査をしていて、2つの可能性を発見しました。
- 「最初は握手を拒否するつもりだったけど、しぶしぶ握手した」が→「握手を拒否」に変化した。
- 「握手ショット(の記念撮影)を拒否」が→「握手を拒否」と変化して伝えられていった。